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「若き日の歌は忘れじ」(星組) [タカラジェンヌに愛をこめて]

先日TVを見ていたら、予告で映画「蝉しぐれ」の一部が流れた。
衛星放送でこの作品を見たのだが、NHK版、映画版どちらも丁寧に作られていてやはり原作の出来がいいと安心してみていられる。
だが、私の中の「蝉しぐれ」NO1は「若き日の歌は忘れじ」なのだ。
紫苑ゆうさん主演。相手役白城あやか。
この作品は生ではなく舞台中継で見た。
原作があることすら知らなかった。
そして泣いた。

この頃私は当時星組の2番手だったマリコちゃんにべたぼれで、この作品も彼女の「小和田逸平」目当てで見ていたのだ。
当時シメさんがちょっと苦手だった私は(あの気障度宝塚随一の評判高いシメさんが日本物?)って違和感があったのだが。
おまけにあやちゃん大好きな私はあろうことか早くマリコちゃんとあやちゃんのトップコンビが見たいなんて思っていたのだからシメさんにはずいぶん失礼な思いでこの作品を見ていたのだ。

結論から言うとこの作品のシメさん・・・というより牧文四郎に泣かされた。
ラストのすばらしさは映画版、TV版をはるかに超えている。
大関先生の会心の作である。
こんなすごい演出家を定年なんかでほいほい辞めさせるなんて歌劇団は思慮がなさ過ぎる。
芸術に定年はない。
逆に言えば若手だから新風を巻き込んでくれるだろうという考えも甘い!!
現実に今若手で力量がある演出家がどれだけいるだろう。
ファンに甘えているだけだと思うのは厳しすぎるだろうか。
宝塚を知らない、そのトップさんのファンではない、むしろ苦手だと思っている人まで舞台の出来で感動させる。
こんなことが出来る先生が本当にいなくなってしまった。

この作品のラストシーンには音らしい音がない。
しいて言えば蝉しぐれだけだ。
そこで主役二人が距離を置きつつ見つめあうことも無くそれぞれが正面を向いて座り、静かの過去のこと、今のこと、将来のことを語る。
台詞自体は原作にあるのだろう。
映画版、TV版ともに同じだったから。
決して最後まで見詰め合うことも抱き合うこともせず、でも全身から二人が心の奥底で愛し合っていることが伝わってくる演出、演技でした。

ラスト文四郎が部下の名を呼び「馬引け~」の一言と共に緞帳が下りた時、涙がとめどなく溢れました。
オリジナル作品でこれを越えるラストシーンはまだ無いです。
若手の先生方。こういうところを先人から学んでください。


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ちろり

私はまったく宝塚の舞台を見たことは
ないのですが…。

優れた芸術に定年はない、という言葉に
すごく納得しました。
人は自分の枠(限界)で色々なものをとらえすぎですよね~。
また、先人から学ぶということも…。
古いとか固いとか、これまた自分の感覚で
決め付けちゃうというか…。

頭と心を柔らかく、色々なものを受け入れて
自分の糧にしていかなければ、と思いました。
by ちろり (2007-07-04 10:05) 

izunosuke

ちろり様。
どんな世界でもそうですが、上に立つものが既成概念にとらわれていてはいけませんね。
若い方が感性がいいとか古い人は感性が固まっているとか。
そんなことはないのがこの世界。
まして芸術のようにその人の感性で勝負する世界はなおさらです。

「温故知新」
私好きなんです、この言葉。
過去があるから今がある。
先人たちの仕事の中からひとつでも学び取っていかなくてはと思います。
「おばあちゃんの知恵袋」もそのひとつ。
年寄りと暮らすことのメリットは生きた教材になってくれること。
ノンにとってもいい環境です。
時々イライラっとくることも正直あるけど・・・。
by izunosuke (2007-07-05 07:22) 

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