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「楽園」 宮部みゆき [書庫]

2月に図書館に予約入れていた本が先日ようやく手元に届きました。
予約の際に私の前に8人予約が入っていたので、まあ時間がかかるのは覚悟していましたが何と3ヵ月半。
一人の最大貸出期間は2週間ですからほとんどの方がその間借りてたってこと?

私上下巻のこの本2日間で読み終えましたけど・・・。

「楽園」と言うこの本は宮部作品としては有名なあの「模倣犯」の続編と言うことになっている。
確かに主人公は同じライターさんだし、彼女が今回の事件に手をつけるきっかけになったのも、模倣犯の事件が少なからず影響しているからだけど、話としては全く別物。
ただ、模倣犯の話を知っているといろんな彼女の心情がわかりやすいけど、知らなくても支障はないかな?


今回の話には多少超能力っぽい話が絡んでいる。
前畑滋子は超能力とは言わず異能者と表現しているが・・・。
でも、「龍は眠る」みたいにそこに重きをおいてはいない。
やはり犯罪は人が犯すものだから。

模倣犯の犯人ほど頭はよくないが、とっても似たような思考回路の人間が出てくる。
読んでいると胸糞が悪くなるような手合いだ。
自分の快楽にのみ優先順位があり、その妨げになるものはどんな手を使っても排除し、そのことに何の遠慮会釈もない。
人の命も、未来もすべて自分のためにあると思っている。
模倣犯と違うのは前畑滋子は今回はその人間と直接対決はしない。
やはり模倣犯の事件が彼女を変えたことは紛れもない事実だから。


模倣犯事件の時の前畑滋子と楽園の前畑滋子は別人のようだが、やはり根っこは同じだ。
人はよく心機一転とか、ここから生まれ変わると言うが、根っこはそう変わらないのではないかと思う。
タンポポの根っこからバラが咲かないように、根っこは一生にわたってその人間の自我を支配するのだと思う。


三つ子の魂百まで

この古い言い回しが今とても重く響く。
人の根っこを作るのはやはり愛情と言う栄養しかないのだが、過保護、過干渉、放任。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」
今人間を育てている最中の親としてはただの小説と思えない何か大きなテーマを突き付けられたような気がするのだ。

そしてこの楽園の重要なキーワードである「等少年」。
わずか12歳で事故でこの世を去ってしまった少年と母親のきずなにほっとさせられる。
本来こうあるべきはずの確かな親子のきずな、愛情がこの親子から静かに読み手に伝わる。
わが子を手にかけてしまった夫婦。
子供が持てなかった夫婦。
たった一人の我が子を失った母。
犯罪を犯して何のためらいも後悔もなく快楽をむさぼる子供にどうすることもできない母。


宮部さんは女性だからだろうか、犯罪者になった人間に影響を及ぼしているのは父親よりも母親の方に比重が多いのは。
みんな身を削り、心を削って育ててるはずなのに…。
どこで間違ってしまうんでしょうか。


楽園 上 (1)

楽園 上 (1)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 単行本



楽園 下

楽園 下

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 単行本



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