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「ソロモンの偽証」宮部みゆき3部作 [書庫]

いやあ~! さすが宮部みゆき。
これだけのボリュームを全く中だるみさせずに結論までひっぱる筆力。
圧倒されます。

構想15年。
連載期間9年。

中学校が舞台で中学生の中学生による中学生のための事件と捜査と裁判。
誰もが純粋で甘ったれで小狡くて義憤にかられるかと思えば自分の立場を守るためには嘘もつく。

連載時の時代背景からか今のように携帯やSNSが普及してない。
だから公衆電話からの通話がキーポイントになる。

今の中高生が読むと違和感あるかもしれない。
同じような中学時代を過ごした人間には無理なくストーリーに入り込めるけど。


クリスマスの朝。
思いがけず夜半に降った雪が大量に降り積もった終業式。
一人の中学生が本来通るべき正門に苦手な教師が雪かきをしているのを見つけ、施錠されている通用門を乗り越える。
バランスを崩し雪の上に倒れこんだ彼は自分の目の前に突然現れた腕をぽかんとみつめる。

・・・なんだこれは・・・・


同級生の遺体が雪の中から掘り出される。
彼は自殺か事故か、それとも…・・。

自殺と決着したはずのその死が一枚の告発状とともに殺人事件として独り歩きを始める。
あくまでも学校の中の噂とマスコミによる学校追及のスキャンダルとして。

ミステリーではないです。
第2部で何となく真相は分かってくる。
3部ではその確認作業のような感じなのだが、ラストはやはり読み応えありました。

ただ、自殺か事故か殺人かという決着なら簡単につきます。
でも、なぜそこに至ったのかという意味での犯人(あえてこういうなら)の背景は何と表現したらいいのだろう。

哀しいでもなく、切ないでもなく、ましてや清々しくもなくでも絶望よりは希望が漂うラスト。
遺体で見つかった少年は果たして被害者?加害者?

大人でも、子供でもない思春期真っただ中の少年少女たち。
その一人一人が抱えている様々な(大きさや深さも)問題や悩みもすごく身近だ。

悪魔にも天使にもなりえる子供たち。
そして、そんな子供たちを見守る大人たち。
親、警察関係、学校関係、マスコミ関係。

人間関係はたくさん出てくる割にはとっても整理されていてごちゃごちゃしていないので読むのが辛くなかったです。

「これは殺人事件です。 柏木卓也君による柏木卓也君に対する殺人です」

この一言に集約されるまでにどれだけの葛藤が、闘いがそれぞれにあったか。
ミステリーとしてではなく、群像劇として秀逸です。
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